【おすすめ雑誌】ナンバーなのに将棋特集
皆さん、最近雑誌買ってます?
久しぶりに雑誌を買いました。
ナンバーの9月17日号です。
「藤井聡太と将棋の天才」
サイクルスポーツ以外の雑誌を買うのは何年ぶりでしょうか。
スマホが普及して、お金を払って記事を読むという習慣がさっぱりなくなってしまった今日この頃ですが、さすがナンバー。
濃い特集を組んでくれました。
将棋界の天才たちに藤井聡太について語ってもらうという特集です。
スポーツ誌だけあって将棋の棋譜についてほとんど言及すること無く(棋譜の記事は1本だけ)、藤井二冠・将棋の魅力について書かれているのが将棋専門誌とは着眼点が異なります。
私を含めた普通の人は棋譜にはあまり興味がないので、将棋をめぐる人々のドラマを楽しみたい人にはうってつけの企画です。
「中学生でプロ棋士になった人は例外なく名人になっている。」
3月のライオン(海野チカ著)で出てくるセリフですが、現実では渡辺明がまだ達成していませんでした。
初タイトルの「棋聖」を渡辺から奪った藤井。
その一か月後。
中学生で棋士となって竜王を11期務めて、永世竜王の称号を持つ渡辺が、今までずーーーと縁のなかった「名人」をついに獲得します。
そんな渡辺名人に棋聖戦直後(ほんとに直後。負けた日の帰りの新幹線の中で取材!)に取材した様子も掲載されています。
参考
中学生でプロ棋士になった人
加藤一二三
谷川浩二
羽生善治
渡辺明 ←ここまで全員名人経験者
藤井聡太 ←NEW
また、電王戦(将棋ソフトとプロ棋士が対戦するニコニコ動画の非公式戦)最後の対局となった当時の名人、佐藤天彦と中村太地との対談。
(現役の名人がコンピュータと対戦するのは負けた場合、人類の敗北を決定づけるものになるので相当な勇気がいる選択だったと思います。尊敬します。)
元名人の佐藤が4歳で作曲したといわれるモーツアルトを引き合いに出して藤井を評価します。モーツアルトの音楽の自然と体の中に入ってくるような感じが、藤井の将棋の中にも見える、と。
私がこの例え話を読んで思ったのが、「数多の天才ピアニスト達がしのぎを削る世界に一人の天才作曲家が紛れ込んでいる」感じ。藤井の異質な強さはそんな感じなのではないか、ということを想像します。
18歳当時の羽生善治と今の藤井聡太の比較を中原誠と谷川浩二がしています。
かつての名人が羽生と藤井の話をするのですが、先の佐藤天彦と中村太地との対談に比べると感性が古く感じます。そういう時の流れも感じることができ、なおかつ未だ現役にこだわり続ける谷川の思いも読み取れます。
あーもうなんて贅沢な記事なのかしら。
あるとき、一人の天才が7つあるタイトルをすべて独占しました。
「全ての棋士にとって屈辱」
と同業のプロ棋士に言わしめた羽生フィーバから25年。
コンピュータが人間の頭脳を追い越しました。(将棋に限ってだけど)
そんな時に現れた新しい天才、藤井聡太。
千代の富士と貴花田のような世代交代劇があるのか!?
それとも奮起した羽生世代の巻き返しがあるのか!?
もう、漫画よりドラマチックで、フィクションの書き手は困っていると思います。
がんばれ!海野チカ!!
かつてない盛り上がりを見せている将棋界。
天才たちをめぐる、様々な人間模様。
これからも楽しみです。
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