分解、清掃、フレームのバリアスコート、重量計測が終わりましたので組み立てます。
ワイヤーは日泉を使用します。
以前はシマノのオプティスリックを使用していました。
オプティスリックを含めシマノのワイヤーは表面に滑らかなコーティングをして抵抗を減らそうという加工をしています。
写真を撮り忘れましたが、このコーティングが使用していると劣化してはがれてきます。それがアウターケーブルの出入り口付近に溜まって抵抗になります。
日泉のケーブルはそもそものワイヤーの表面を滑らかに仕上げようという思想です。
ちなみに交換前のワイヤー重量は一式で157gでした。
重量に関しては厳密に測れない(ワイヤーを組み付けてから切る、アウターも一度組み付けて長さ再調整で切ったりする)のでほぼ変わらずだと思うことにします。
基本的にシマノと同じ部分の解説は省いていきます。
シマノと違う部分、苦労した部分について3点ありました。
・ダブルタップレバーのシフトワイヤーが通らない!
・クランクの取り付け方
・ディレイラーの調整(特にフロントが難しい!!)
・ダブルタップレバーのシフトワイヤーが通らない!件の攻略法
ハンドルにダブルタップレバーを取り付けます。
ブレーキワイヤーはブレーキレバーを目いっぱい握って、レバーとブラケットの接続部前面から入れます。シマノと同様です。
シフトワイヤーはブラケットの内側にある2つの穴の小さいほうから入れます。
シフトレバーをカチカチカチと一番ロー側へ変速させ巻き取り機のラチェットを緩めます。
ワイヤーの導入口が見えるのでワイヤーを差し込みます。
素手でワイヤーの根本をつかんで押し込みます。
グッと( `ー´)ノ
グッと( `ー´)ノ
・・・・
('Д')ハインネーワ
びくともしません。
シリコンスプレーを吹いてみるもダメ。
全然入る気がしないので検索掛けてみると症例多数。
出てきた解決方法は2つ。
1.ペンチで根元を掴み、グッと押し込む。
2.ワイヤーを丸めて力が逃げないようにする。(売っているときのような状態で、差し込むところだけ5㎝ほど出してグッと押し込む)
今回は1.のペンチ法を採用しました。
ラジオペンチで根元を掴んでグッと押し込みます。
入りました(*'▽')
左から入って90度曲がって上から出てきます。
ここの曲率が左右で違うのでしょうか。
左レバーのシフトワイヤーは普通に入りました。
右だけ堅かったです。
・クランクの取り付け方
まずBBを取り付けます。
BBはスラム純正のBB GXP English。
使用したグリスはワコーズのブレーキプロテクター。
BB30の異音問題で話題となった高粘度グリスです。
BBの内径はドライブ側が24mm、ノンドライブ側が22mm。
ブレーキプロテクターは、もともとディスクブレーキのパッドに塗ってビビリ音を低減するためのグリスです。
(ちなみに塗るのはブレーキパッドの裏側のピストンと接する部分です。パッド側に塗ってはいけません('◇')ゞ)
例えるなら、ご飯粒をつぶした感じ、お餅みたいと言う感じでしょうか。
キャノンデールではBB30を組み付けるときに使用しているようです。
左側に塗ったのが下の写真です。
これをフレーム側にも塗って組み付けます。
ドライブ側からクランクを差し込みます。
ノンドライブ側のクランクアームを差し込みます。
スラムのクランクは2重のボルトで固定します。
(キャノンデールのSiクランクも似たような固定方法です)
一つ目のボルトでクランクアームを所定の位置まで押し込んで固定します。
8mmのアーレンキーで絞め込みます。
48-54N・mのトルク指定があります。
結構強力に絞め込みます。
一番力がかかるのと、ここが緩むと命取りと言う事でしょう。
(ちなみに普通乗用車のタイヤのボルト締め付けトルクは90~110N・mです)
そして2つ目のボルトを取り付けます。
こちらは10mmのアーレンキーで絞めつけます。
自転車整備で10mmのアーレンキーって初めて使ったかもしれません('ω')ノ
こちらは12-15N・m。
で、なんで二重になっているかというと、クランクアームを取り外すときに便利だからです。
内が8mm、外が10mmの穴が開いています。
外のボルトをつけたまま10mmの孔から8mmのアーレンキーを入れて内側のボルトを緩めます。
そうすると内側のボルトが緩んで外側に出てこようとすると10mmのボルトにあたります。
そのまま緩めていくと10mmボルトに固定されているクランクアームが外れてくるという仕組みです。
('ω')ノナルホド
うまいこと考えたもんだ。
今日はここまで。
次回の
・ディレイラーの調整(特にフロントが難しい!!)
につづく('ω')ノ