【ロードバイク】各種保冷ボトルを分解してみた
前回の実験で、保冷力について比較実験してみました。
当たり前といえばそうなのですが、圧倒的なサーモスの保冷力が目立ちました。
ではその他の点で他社のボトルは卍解挽回できるのか!?
(Wordで「ばんかい」って入力すると「卍解」って変換できるのがすごい! )
今回は各社の保冷ボトルを分解してみました。
分解しやすさや、洗浄しやすさ、使い心地の比較をします。
自転車でボトルを使用する場合、飲むだけではなく、頭にかけたり、傷口を洗ったりと様々な使い方をします。
また、飲む方法も、吸う・手で握る・流し込むと様々な方法があります。そこが普通の水筒と違うところです。
弁解(‘ω’)ノ
自転車業界ではボトルについている漏れない機構のことを「逆止弁」と呼んでいます。
これはメーカーがそう自称しているからなのか広く使われています。
しかし、漏れない構造になっていますが、逆からの流入を防止する機能は持っていません。厳密にいうと「逆止」効果は無いのですが、ここでは広く一般的に自転車業界で認知されているということで逆止弁という呼称を使用します。
【エントリー商品】
左から
1. サーモス 真空断熱ストローボトル FFQ-600 600ml
2. ポーラーボトル 20 OZ 590ml
3. CAMELBAK ポディウムチルボトル(新型)620ml
4. CAMELBAK ポディウムチルボトル(旧型)620ml
5. ELITE(エリート) FLY ボトル 550ml(保温機能なし)
1.サーモス 真空断熱ストローボトル FFQ-600 600ml
保冷力王者のサーモスストローボトル。
分解も簡単です。
蓋の裏側についている止水パッキンも分解・洗浄のことがしっかり考えられている作りです。
青いパッキンに取り外す際に引っ張る「耳」がついています。
この辺りはさすがサーモスです。
構成備品の点数も少なく5点です。
(本体のすべり止め部分も入れれば6点。)
ストロー部分に逆止弁はついていませんが、飲み口部分が“N”型に折れて収納されます。
飲み口のストローが2カ所潰れることによって漏れを防いでいます。
通常ボトルだと自転車に乗りながら水分を補給留守場合、ボトルの底を口より上に向ける必要があります。
この際にどうしても顔が上がってしまい、視線がぶれたりします。
ストローボトルはボトルの底からストローで吸えるのでボトルを上げる必要がありません。
ライディングポジションを崩すことなく飲めます。
ただし、飲む前に蓋を開けるという動作があります。
蓋を開ける際に視線が開閉スイッチの方に行くとよくありません。
スイッチを押すのに持ち替えるとボトルを落とす原因にもなります。
わたしはボトルケージに差した状態で蓋を開けてから抜いて飲むようにしています。
ボトルケージに戻してから蓋を閉めます。
欠点は、当たり前ですが吸わないと出てきません。
本体がステンレスなのでボトルをつぶして押し出すということができません。
ヒルクライムなどで息も絶え絶えの時に“吸わないと”飲めないというのは結構きついです。
また、飲むことに比べて頻度は低いですが、手や傷口を洗いたいときに水を出すということができません。
2. ポーラーボトル 20 OZ 590ml
キャメルバックの保冷ボトルに対して保冷力に優位な差があったポーラーボトル。
分解してみると部品点数はなんと取っ手を含めて4点です。
飲む際には飲み口の黒いバルブを引き出して飲みます。
(バルブの淵を噛んで引き出す感じ)
分解するには少しコツが必要です。
バルブを固定する爪の部分が片方“面”が取れています。
バルブを引っ張りながら“面”が取れている方向へ回転させて爪の引っ掛かりを抜きます。
蓋とせって上手く回らないので精密ドライバーなどで押し込んでやると回ります。
ポーラーボトルは他社にはない「持ち手」が意外と便利です。
ボトルケージから抜く際も、持ち手をもって抜くことができます。
特に長距離走ったり、坂を登ったりしてヘロヘロな時に効いてきます。
また、私は自転車以外のスポーツ(登山など)でもこのボトルを使用しますが、ザックのサイドポケットから取り出す際にこの持ち手が便利です。
欠点は逆止弁がついていないので、逆さまにすると漏れます。
(自転車で使用する際には問題にならないです)
カバンの中に入れるとぐっしょり濡れます。
つい忘れてうちの子供が良くやります(/・ω・)/
ただし、これが良い点になる事もあります。
逆止弁がついていないので逆さまにするだけで飲めます。
吸わなくても押さなくても出てくるのです。
ヒルクライムで「もうだめ(+_+)」と言うときに少しも力を使わなくても水が飲めるというのはありがたい・・・(*’▽’)
この辺りは好き嫌いでしょうが私は好きです。
クマの顔が若干困った顔に見える(*´з`)クマッタ
3. CAMELBAK ポディウムチルボトル(新型)620ml
ポディウムチルボトル(新型)の方。
バルブにロック機能がついています。
カバンの中で横になっても漏れません(*’▽’)
新型は分解するのが簡単です。
部品構成は7点。
サーモスの次に簡単に分解できます。
逆止弁がついています。
これを外すのに少し注意が必要です。
はめ込み式なので棒状のもので押し出す必要があります。
逆止弁を痛めないように割りばしなどの木製、または樹脂製のもので飲み口側から押し出しましょう。
マイナスドライバーなんかでやるとパッキンを破損します(‘ω’)ノモレマス
握って出す、吸って飲む両方できて、さらに漏れない。
漏れにくさに特化したのがキャメルバックの特徴でしょうか。
自転車以外の利用でもカバンに入れて持ち歩くこともできます。
ボトルの柔らかさはポーラーとキャメルバックで大きな差はありません。
分解洗浄も簡単で、ロック機能付き。
自転車以外の場面でも使える。
優等生タイプですね。
私はボトル1本で運用する場合はこれを使うことが多いです。
特に冬にはこれにぬるいお湯(50℃くらい)を入れて走ります。
寒い時期はおなかとノドにやさしいので。
4. CAMELBAK ポディウムチルボトル(旧型)620ml
ポディウムチルボトル(旧型)です。
新型とは保冷力で有意な差は得られませんでした。
保冷力は新旧ほぼ同様です。
大きく違うのは分解しやすさです。
この旧型はとにかく分解が大変です。
漏れないこと、ロックできることにフォーカスしているので部品点数も多く分解・洗浄のことを考えて作られていません。
部品点数は最多の9点。
Oリングが2つありますが微妙に大きさが違います。
分解に難儀しました。
飲み口の部分にカビが生えます。
今使っている人はともかく、クリアランスセールで半額になっていても買うか迷いますね。
まず、飲み口の部分蓋からひねって外します。
飲み口の中に逆止弁の入ったパーツが入っているので飲み口の先端をつぶすようにして押し出します。
押し出した逆止弁の入ったパーツの継ぎ目に精密ドライバーなどの薄いものを差し込んで隙間を作り逆止弁を挟み込んでいる上側のパーツを外します。
とれました。
次に蓋に残っているロック・アンロックを切り替えるパーツを外します。
ここが最難関です。
この切り替えパーツは先端が鉤状になっていて蓋の中心部に引っかかっています。
切り替えパーツを押し出しつつ、精密ドライバーで鉤に引っかかった部分を外していきます。
(今回は右手で蓋を抑え、左手にドライバーを持ち、中心に当てた割り箸をお腹で押しました('◇')ゞ)
手が三本ほしくなります('ω')ノ
ボトルの握りやすさ、柔らかさ、耐水漏れ・ロックの性能は新旧で大きな差はないと思います。
この分解しやすさが一番の違いです。
5. ELITE(エリート) FLY ボトル 550ml(保温機能なし)
エリートフライボトルです。
分解は飲み口の部分を引っ張るだけで完了です。
部品点数は3点。
シンプルに自転車に乗りながら液体を飲むだけ。
特化した道具です。
パッキンもロック機構もないため普段使いはお勧めできません。
軽さ最優先、飲み物はぬるくてもOKという人向けです。
我が家では主に子供たちが使っています。
ボトルの背が低いので子供の自転車(22インチ)のボトルケージにも入ります。
まとめると以下のようになります。
サーモスのストローボトルを使用する際は真夏の厳しい暑さの時が多いのでWボトルのことがほとんどです。
ストローボトルにはスポーツドリンク+氷、もう片方のボトルには水を入れます。
もう片方のボトルは夏の三浦半島一周のような平地がメインのライドならポディウムチルボトル(新型)、ヤビツ峠まで自走で行って帰ってくるならポーラーボトルを選択するでしょう。
この辺りは保冷能力というよりも使い勝手、洗浄しやすさなど好みの問題です。
今回の記事がみなさんのボトル選びの参考になれば幸いです。
余談(‘ω’)ノ
中に入れるスポーツドリンクは電解質とエネルギーが摂取できるグリコパワープロダクションを好んで飲んでいます。
パイポトニック飲料なのでお腹がにたまりにくいです。
(飲みすぎてもお腹がタポタポしにくい)
息子がバスケの練習に行くときもこれです。
私は持久系のスポーツ(ロードバイク、スキー、遠泳)を好んでするのですが疲労回復には同じくグリコパワープロダクション エキストラ アミノアシッド(通称:金グリ)を飲んでいます。
一時期はアミノバイタルを使っていたのですが、こちらのほうが疲労回復という面では優れていると思います。
翌朝の目覚めがよくなります。
飲むのと飲まないのではプラセボでは済まない明確な違いを感じます。
↓いいね!ボタンの代わりにぽちっとお願いします。