【おすすめ書籍】ビジネス書かと思いきや・・・【シン・ニホン】
(News Picks Publishing)初版2020.2.20
読後の率直な感想は「これを子育て中のすべての親に読んでほしい」です。
副題として「AI×データ時代における日本の再生と人材育成」となっています。
ビジネス書だと思って手に取りましたが、これは是非、育児書・教育書として読んでほしいです。
「これから」の日本で生きる人たちのために、愛を持ってどんな国づくりをしていくか
を提言している内容となっています。
バブル崩壊後、極限まで投資できる予算を削ってきた。今後、未来に架けるために大胆なリソースの分配変更を行う必要があると説いています。
欄外注釈の多さが「攻殻機動隊か」と突っ込みたくなります。
(そう思って攻殻機動隊読み返してみたらそんなレベルじゃなかった('◇')ゞ)
とにかくひたすらに事実(Fact)と統計データを基にして、世界が、ビジネスがどんな転回を起こしているのかを明らかにしていきます。
そしてこの20年、ICT分野以外は成長していないということが明らかになります。
それ以外の分野はパイの大きさが変わっていない。つまり、同業他社間で奪い合いをしているだけなので、すべての分野でAI×データを導入して生産性を上げる必要がある。
しかし、そのためのエンジニアが圧倒的に不足している。
エンジニアに限らず、すべての分野でAI×データを導入するには、文系であろうと理系であろうとすべての人がAI×データの基本的な知識が必要となる。
(どの分野で仕事しようとも、これができないと稼げなくなるということ)
そのためにはどのような教育をしていくのか、高度人材を育成するための大学院の仕組みや(大卒だけでは足りない。院卒、PhDrをいかに増やすか)、教育予算の付け方まで提言しています。
(大学院以降の仕組みが国によってこんなに違うというのは驚きでした)
国のデザインをどうするかという大きな話であります。
そんな大きな話の中にも、日本の既婚男性の家事時間が圧倒的に少ないことにも触れていて「生産性を上げて90分残業を減らして、夫が90分家事をする時間を増やせば夫婦でフルタイムで働ける」との提言もあります。
これから、そんな世の中で生きていく自分の子供にどういう教育を提供するのかというヒントが書かれています。
・現在生きる人の幸福が未来と未来の世代を犠牲にして成り立っているのであれば明らかにマネジメントの誤りだ。
・自分が生まれた時よりも素敵な未来を残せているか。
この著者の二つの言葉はすべての大人に突き刺さる、今私たち大人が考えなければいけない命題でしょう。
子育てをしている方、孫が生まれてその子の未来が気になる方。
すべての人に読んでほしい、希望ある日本の未来に関する処方箋的な本です。
完全な余談ですが、「知識・情報を集めすぎ・知りすぎると新しいアイデアや発想が生まれず身動きが取れなくなる」という話が出てきますが、これ五条先生の無量空処ですね('◇')ゞ
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